犯罪に使われた車のナンバーから、犯人が割り出されたというニュースやドラマを見かけますが、日常生活を送っていて、車のナンバーから、その所有者や住所を知りたいという状況にはあまり遭遇しません。だから、ドラマの中の話、他人事みたいな感じでした。
ところが、私有地に車を放置されて困っているとか、夫が不倫しているらしい相手の車から、相手のことを調べたいなどという状況になって初めて、車のナンバーから所有者や住所を調べたいというのが、現実味を帯びてきます。
もちろん、警察なら簡単に調べられることでも、一般の人が調べることってできるのでしょうか?
ここでは車のナンバーから所有者の住所や氏名を調べる方法を紹介しています。
運輸支局、または自動車検査登録所で情報開示請求する!
陸運輸支局、または自動車検査登録所って、聞きなじみがないかもしれませんが、旧陸運局のことです。
情報開示請求が厳格に!
以前は、車のナンバーから所有者などの情報を調べる登録情報等証明書の交付請求は、簡単にできましたが、犯罪への悪用や不正行為の防止、個人情報の保護という観点から、2007年、国交省より「登録事項等証明書の交付請求方法の変更について」という通達が出され、情報開示請求が厳格化されました。情報開示請求をするためには、車のナンバーに加えて、車台番号(下7桁)が必要となりました。
車台番号は、車両1台ずつに割り振られたもので、所有者や住所が変わっても変更されることはなく、車のボンネットを開けた奥などに打刻されています。また、車検証にも書かれています。
情報開示請求ができるケースと必要書類
車のナンバーと車台番号がわかれば、情報開示請求ができますが、車台番号がわからない場合もあります。もし、車台番号がわからなくても、例外として認められるケースがあります。下記のいずれの場合も、本人確認の書類が必要です。
私有地に車両を放置された場合
車台番号がわからなくても、放置状況がわかる図面や写真、放置日数などを示すことによって可能になります。また、抹消登録されている車でナンバーがない場合、車台番号の全桁がわかればOKです。
裁判手続きの書類として、登録事項等証明書が必要不可欠な場合
その車が、裁判手続きに関係していることを証明する書類が必要です。例えば、債務整理などの場合、債務名義等の公的書類などを提出、または提示する必要があります。もし、公的書類がない場合は、申立書を提出しなければなりません。
軽自動車の場合
軽自動車の場合、軽自動車検査協会が担当になりますが、所有者でない人からの開示請求には、法令等に基づく照会を除いては、応じられないとのことです。ただし、長期にわたる車両放置の場合は、照会に応じてもらえる可能性もありますので、問い合わせしてみましょう。
弁護士に依頼する!
お店の駐車場などに長期間にわたって、無断駐車をされている場合、本当に迷惑ですよね。そんな場合も、勝手に処分することはできません。まずは、警察に連絡しましょう。もし、盗難車両や刑事事件に関連する車両なら、警察が撤去してくれることもあります。
弁護士の場合、職権で照会してもらうことができます。弁護士法23条によって、ナンバープレートから車両の所有者を割り出すことができます。ただし、費用が掛かります。ただ、損賠賠償請求などの場合、弁護士費用も含めることができます。
不倫などの場合も、賠償請求交渉で受任すれば、ナンバーから所有者等を照会できます。
探偵に依頼する!
調査のプロである探偵であっても、現在、車のナンバープレートだけからは、車の所有者などの情報を得ることはできません。ただし、探偵は、調査を本業としているわけですから、データ調査、張り込みや尾行など人的な作業によって、所有者情報などを突き止めます。これらは、探偵業法で認められている合法な調査ですから、心配無用です。
例えば、ナンバープレートから、だいたいの場所に目星をつけ、張り込みます。車を発見すれば、尾行し、最終的に住所、氏名などの個人情報を得ます。もちろん、費用がかかりますが、プロなので、たいていの場合、判明します。
車につけたGPSから探る方法はNG!
インターネットなどで、「ナンバープレートから、車の所有者を見つける方法」などと検索すると、「車にGPSを取り付けて停まっている場所を調べることができる」という記事がヒットします。
要するに、他人の車に、勝手にGPSを取り付け、GPSが発信する情報から割り出せるということですが、ちょっと待ってください!
他人の車にGPSを取り付けるのは、迷惑防止条例違反となります。さらに、プライバシーの侵害によって、刑事事件や民事訴訟の損害賠償請求を起こされる可能性もあります。
つまり、他人の車に勝手にGPSを取り付けるのは、違法行為になりますから、絶対やめましょう!
まとめ
いろんな事情で、車のナンバープレートから、所有者やその人の住所を知りたいという状況になることがあります。知る方法についてまとめましたので、あなたの状況にあった方法をご選択ください。ただし、違法行為は、NGですよ。